研究領域紹介

山内研究室(超精密加工領域)

教授 山内 和人
准教授 佐野 泰久
助教 松山 智至
特任教授 植村 壽公

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「創れなかったものを創る」

これが科学技術の進歩の第一歩です。本研究室は、数100mmスケールに亘る大面積表面において、原子スケールでの構造制御を行うGiant-Scale Nanotechnologyに取り組んでいます。近年、EEM、PCVM、MSI、RADSI、UPW-ECM、CAREなどのナノ加工・ナノ計測システムを開発して、高性能電子・光デバイス基板やX線デバイス、X線ナノスコープなど、「創れなかったものを創る」ことに成功しました。そして、バイオ・医学・創薬・半導体デバイス・X線自由電子レーザーなど、様々な分野と連携しながら、新しい科学技術の開拓に貢献しています。教育においても、表面科学を駆使した超精密加工・計測システムの開発を主専門に、連携研究を通じた副専門の習得によるマルチメジャー教育をモットーにしています。

1. 原子スケールの表面創成(Atomistic production technology)

最先端の科学技術分野、例えばLSI の半導体基板やシンクロトロン放射光用ミラーなどでは原子スケールで平坦な表面が求められています。しかし、加工変質層などのダメージがなくかつ原子スケールで平坦な表面を作製する事は現在の科学技術をもってしても簡単なことではありません。山内研究室では原子スケールで平坦な表面を創成可能な様々な物理・化学現象を探索し、新しい表面創成方法を実現すべく基礎研究を行っています。

【Keyword】
EEM(Elastic emission machining)、PCVM (Plasma chemical vaporization machining)、超純水電解加工(Electrolytic machining in ultrapure water)、触媒基準エッチング法 CARE(CAtalyst-Referred Etching)、数値制御犠牲酸化法


<図2>EEMによる原子スケールでの平坦化

2. 大面積におけるサブナノメートル精度の構造制御(Giant-scale nanotechnology)

最先端の研究で用いられる光学素子、例えばミラーやレンズでは10mmから1000mmという横方向に広いスケールの表面に、縦方向にサブナノメートルという原子レベルの精度で任意の形状を作り込む技術が強く求められています。しかし、非球面や自由曲面といった形はその形をサブナノメートルスケールで精確に測定することが非常に難しいため、精度の悪い代替品で我慢しているのが現状です。山内研究室では非球面形状を高精度に測定可能な形状計測システムやナノ精度で形状を転写できる技術を研究しています。これらの技術と上記表面創成技術を組み合わせることで、大面積でサブナノメートルに制御された表面を得ることが可能となります。

【Keyword】
大面積マイクロステッチング光干渉計(Microstitching interferometry)、RADSI(Relative Angle Determinable Stitching Interferometry)ラージスケールナノ精度転写プロセス

3. 半導体基板製造プロセス開発
   (Application to semiconducor device processing)

研究レベルの技術を実際の産業へと応用するためには性能だけでなく製造コスト、製造スピード、環境への配慮など考慮すべき点は多くあります。これらの点を考慮し、これまで山内研究室で培われてきた上記の技術を半導体基板製造へと応用するための研究を行っています。すでに世界トップクラスの性能を持つSiC基板やSOI基板の開発に成功しており、多くの企業から注目を集めています。

【Keyword】
次世代電子デバイス用超薄膜SOI(Silicon on insulator)の開発、超純水電解加工法の銅ダマシン配線プロセスへの応用展開、ワイドギャップ半導体基板作製における高能率ドライプロセスの検討、SiC・GaN単結晶ウエハの高能率・高精度平坦化

4. X線光学素子・光学システム開発(X-ray optics and optical system)

サブナノメートルの精度で大面積の構造を制御する技術を駆使して、世界最高性能のX線光学素子を製作し、これを基にして世界最高性能を持つX線光学システムを構築しています。現在、SPring-8(理化学研究所)のオプティクスグループとの共同研究により、硬X線のサブ10nm集光の実現や、超高分解能走査型X線顕微鏡の開発を行っています。

【Keyword】
極端紫外光リソグラフィー用結像光学系の開発、硬X線集光ミラーの設計・開発、多層膜X線ミラーの開発、超高分解能走査型X線顕微鏡の開発、超高分解能X線マイクロCTの開発

お問合せ・アクセス

〒565-0871
大阪府吹田市山田丘2-1
大阪大学 大学院工学研究科
精密科学・応用物理学専攻
精密科学コース

E-mail:
www_admin[at]prec.eng.osaka-u.ac.jp

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