完全表面とは


完全表面とは


任意形状でありながら、極度に高い形状精度を持つ、原子レベルで平坦な表面です。さらに、表面層にも原子配列の乱れが全く無い表面を示します。


研究の背景


これからの日本の将来を支える産業における先端技術や、自然の根源を明らかにするような基礎科学において、物理的限界である原子の大きさの表面粗さしか許されない超平坦面いわゆる「完全表面」が要求されることが数多くあります。しかし、このような完全表面を作るためには、従来の加工や成膜技術の延長線上では不可能です。


研究の目指すところ


完全表面を作製するための超精密加工や成膜技術を確立します。そして、具体的な目標として、任意形状に対して、形状精度 0.01μm/m 以下、表面粗さ Rrms=0.05nm以下の表面の作製を目指します。また、作製した表面を原子の大きさの分解能で、幾何学的構造と電子構造を評価します。さらには、完全表面を基板として、新しい機能を持つ薄膜や微細構造を形成する方法を開発します。


研究の進め方


完全表面を創成するために、図に示すような4項目を達成します。すなわち、従来にない発想に基づく新しい加工プロセスを開発します。また、加工プロセスを最適な状態に保つため、加工プロセスを計測し、制御する技術を確立します。そして、作製した加工表面を原子・電子レベルで評価するとともに、新しい表面評価技術を開発します。さらに、加工現象を量子力学の第一原理に従い理論的に解明することによって、超精密加工を学問領域として体系化します。



研究成果の応用


完全表面は、こんなところで役立ちます。


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Last revised on Mar. 25, 1998 by M. Nakano